「離乳食のころは野菜も食べていたのに、最近ぜんぜん食べなくなった……」
3~5歳くらいになると、そんな悩みが出てくることはありませんか?
わが家も同じです。
管理栄養士としては、もちろんいろいろな食材を食べられるようになってほしい。
「野菜もちゃんと食べてほしいなぁ」と思います。
でも、自分の子どもたちの食事をよく見てみると、
あれ? 本当に「野菜を全部食べない」のかな?
と思うようになりました。
今回は、わが家の子どもたちの野菜嫌いを振り返りながら、今の私が考えている「子どもの好き嫌いとの付き合い方」をまとめてみます。
「うちの子、野菜を全然食べない!」……本当に?
わが家の子どもたちは、家では野菜を残すことがあります。
ところが保育園では、一口は食べてみようというお約束になっているようで、家では食べないものも食べているらしい。
「家では全然食べへんのに……」
と思うこともあります(笑)。
でも、よくよく子どもたちを見てみると、本当に野菜を全部食べないわけではありませんでした。
上の子は、葉物野菜はイヤ!
でも、
- トマトは食べられる
- ブロッコリーも食べられる
- カレーに入っていたら、いろいろな野菜を食べている
……意外とやるやん(笑)。
下の子も葉物野菜は苦手です。
でも、お味噌汁に入っていると、そのまま食べていることがあります。
そして、やっぱりカレーは食べる(笑)。
「野菜嫌い」とひとくくりにしていたけれど、
この野菜なら食べられる。
この料理なら食べられる。
この味なら大丈夫。
そんな「食べられる」が、ちゃんとありました。

「食べられる形」を探してみる
同じ野菜でも、調理法や味付けが変わるだけで、子どもの反応が違うことがあります。
生では食べないけれど、スープなら食べる。
炒め物では嫌がるけれど、カレーなら食べる。
そのままでは難しくても、ハンバーグやお好み焼きに入っていたら食べられる。
わが家でもよくあります。
だから私は、
「この野菜を食べられるようにしなきゃ!」ではなく、「どんな形なら食べられるかな?」
と考えるようにしています。
細かく切ったり、好きな料理に入れたりするのも一つの方法。
ただ、ずっと見えないように隠すだけではなく、野菜そのものを見る機会も残しておきたいと思っています。
「今日は食べない」と言われても、ときどき食卓に登場する。
まずはそれくらいでもいいのかな、と。

食べることだけが「食の経験」じゃない
そして、もう一つ大事にしたいと思っているのが、
食べることだけをゴールにしないこと。
子どもにとって、食べ物との出会いは食卓だけではありません。
例えば、
- スーパーで一緒に野菜を選んでみる
- 畑や家庭菜園で収穫してみる
- 野菜を洗ってみる
- 葉っぱをちぎる
- 混ぜる
- 盛り付ける
- 一緒に料理をしてみる
- 保育園や友だちと一緒に食べてみる
こんな経験もあります。
自分で選んだ野菜。
自分で採った野菜。
自分で作った料理。
それだけで、「ちょっと食べてみようかな?」という気持ちになることもあります。
もちろん、
「収穫したから絶対食べる!」
「料理を手伝ったら好き嫌いがなくなる!」
というものではありません。
一緒に作ったのに食べない日だってあります(笑)。
それでも、
見る。
触る。
においをかぐ。
料理する。
誰かと一緒に食べる。
そうやって食べ物と関わることも、大切な食の経験です。

今食べられなくても、ずっと食べられないとは限らない
これは私自身の経験でもあります。
私は子どものころから比較的好き嫌いは少なかったのですが、いんげんやピーマンは苦手でした。
特に「食べたい!」と思う野菜ではなかった記憶があります。
でも、大人になって自分で料理をするようになってから、いつの間にか普通に食べられるようになりました。
「こうやって料理するとおいしいんや」
と、自分の好きな食べ方を知ったことも大きかったのだと思います。
だから、
今食べられない=ずっと食べられない
とは限りません。
子ども自身が成長する中で、味覚も経験も変わっていきます。
今すぐ「好き嫌いをなくさなきゃ」と焦らなくてもいいのではないでしょうか。
管理栄養士としては、やっぱり何でも食べてほしい
とはいえ。
管理栄養士としての本音を言えば、
できれば何でも食べられるようになってほしい。
いろいろな食品を食べられた方が、食事の幅も広がります。
野菜だって、一種類だけではなくいろいろ食べてほしい。
そう思っています。
でも、
全部食べられる必要は「今」はない。
とも思っています。
今日はトマトが食べられた。
ブロッコリーは大丈夫。
葉物野菜は苦手だけれど、お味噌汁なら食べられた。
カレーならいろいろ入っていても食べられた。
それなら、その子にはちゃんと「食べられるもの」があります。
「うちの子、野菜を全然食べない」
ではなく、
「どんな野菜なら食べられる?」
「どんな料理なら食べられる?」
と見てみると、意外な「OK」が見つかるかもしれません。
少しずつ「OK」を増やしていこう
子どもの食事って、ついついできていないところが目につきます。
「また野菜残してる……」「今日も食べなかった……」「好き嫌いが多くなった気がする……」と気になることもありますよね。
でも、一度よく見てみてください。本当に全部ダメでしょうか?
トマトなら食べる。ブロッコリーなら食べる。汁物に入っていたら食べる。カレーなら食べる。保育園では一口食べている。
そんな小さな「食べられた」が、意外とあるかもしれません。
そして、ときには一緒に買い物をして野菜を選んでみる。収穫してみる。一緒に料理してみる。友だちと一緒に食べてみる。
いろいろな経験を重ねながら、「ちょっと食べてみようかな」が増えていけばいい。
管理栄養士の私も、わが子の食事についてはまだまだ試行錯誤中です。
全部食べられるようにすることを急ぐのではなく、今ある「食べられる」を見つけて、少しずつ「OK」を増やしていく。
そんな気持ちで、子どもの食事と付き合っていきたいと思っています。
焦らず、少しずつ。子どもの成長と一緒に、食べられるものも増えていけばいいですね。

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