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料理は科学!おいしい自由研究

栄養&健康コラム

こんにちは、管理栄養士のこむらんです。

夏休みの自由研究、何をしたらいいか迷っていませんか?

そんなときにおすすめなのが、身近な食材を使った「料理の科学実験」です。

料理には、色が変わる、茶色く変色する、加熱すると固まるなど、子どもの好奇心をくすぐる現象がたくさん隠れています。

この記事では、家庭で取り組みやすい自由研究として、次の3つを紹介します。

・紫キャベツの色が変わる実験
・りんごの変色を防ぐ実験
・卵のゆで時間を比べる実験

実験方法だけでなく、「目的・予想・結果・考察」のまとめ方も紹介します。

包丁や熱湯、コンロを使用する作業は、必ず大人が行うか、すぐそばで見守ってください。

料理を使った自由研究の進め方

自由研究で大切なのは、成功することではありません。

「どうなると思ったか」「実際はどうなったか」「なぜその結果になったのか」を、自分の言葉でまとめることが大切です。

1.実験するテーマを1つ選ぶ

この記事では3つの実験を紹介していますが、全部する必要はありません。

子どもが「やってみたい」「結果を見てみたい」と思ったものを1つ選びましょう。

テーマを選んだ理由も書いておくと、自由研究をまとめるときに使えます。

2.目的と予想を考える

実験を始める前に、何を調べたいのかを決めます。

例えば、りんごの変色を調べる場合は、次のように考えます。

目的:りんごの変色を一番防げる方法を調べる
予想:レモン水に浸けたりんごが、一番変色しにくいと思う
理由:レモン水は酸っぱいので、変色を防ぐ働きがありそうだから

予想が実験結果と違っても問題ありません。違った理由を考えることも、自由研究の大切な部分です。

3.条件をそろえて実験する

比較する実験では、調べたい条件以外をできるだけ同じにします。

・同じ種類の食材を使う
・同じ大きさや厚さにする
・液体の量をそろえる
・同じ時間で比べる
・同じ場所、同じ明るさで写真を撮る

条件がバラバラだと、何が結果に影響したのか分かりにくくなります。

4.結果を記録する

実験前・実験中・実験後の写真を撮り、色や形、固さ、時間などを記録します。

「変わった」「変わらなかった」だけでなく、できるだけ具体的に書きましょう。

5.結果から分かったことを考える

考察では、次の順番で考えるとまとめやすくなります。

1.どんな結果になったか
2.予想と同じだったか
3.なぜその結果になったと思うか
4.もう一度するとしたら何を変えるか

自由研究の進め方は、総務省統計局の「自由研究の進め方」も参考になります。

実験1.紫キャベツの色はなぜ変わる?

紫キャベツには、アントシアニンという色素が含まれています。

アントシアニンは、混ぜる液体が酸性かアルカリ性かによって色が変わる性質があります。

この性質を利用して、身近な液体の違いを調べてみましょう。

実験の目的

紫キャベツの液に、酢や重曹水などを加えたときの色の違いを調べる。

準備するもの

・紫キャベツ 2~3枚
・熱湯 約300ml
・耐熱ボウル
・ざる
・透明なカップ 4~5個
・小さじ
・水
・酢
・レモン汁
・重曹水(水100mlに重曹小さじ1/2程度)
・記録用の紙またはカメラ

包丁と熱湯を使う作業は、大人が行ってください。

実験方法

1.紫キャベツを細かく切り、耐熱ボウルに入れます。
2.熱湯を注ぎ、10分程度置きます。
3.紫色になった液をざるでこし、十分に冷まします。
4.透明なカップに、同じ量の紫キャベツ液を入れます。
5.それぞれのカップに、水・酢・レモン汁・重曹水を同じ量ずつ加えます。
6.色の変化を観察し、写真と文章で記録します。

予想してみよう

・酢を入れると何色になる?
・レモン汁は酢と同じ色になる?
・水を加えた場合は変化する?
・重曹水を加えると何色になる?

実験前に色を予想し、結果と比べてみましょう。

色が変わる理由

紫キャベツに含まれるアントシアニンは、周囲のpHによって分子の状態が変化し、見える色も変わります。

一般的に、酸性では赤色やピンク色に、アルカリ性では青色や緑色に近づきます。

ただし、紫キャベツ液の濃さや加える液体の量、水質などによって、実際の色は少し変わります。

「予想した色と違った」ときは、液体の量や紫キャベツ液の濃さにも注目してみましょう。

さらに調べるなら

安全に扱える食品や飲み物の中から、調べる液体を追加してもよいでしょう。

・炭酸水
・オレンジジュース
・牛乳
・砂糖水

液体の色や濁りが強いものは、紫キャベツ液の変化が見えにくくなることがあります。

塩素系漂白剤や家庭用洗剤などは使用しないでください。実験後の液体は飲まないようにしましょう。

実験2.りんごの変色を一番防げるのはどれ?

切ったりんごを置いておくと、切り口が少しずつ茶色くなります。

水、食塩水、レモン水、ラップなどの方法を比べて、どれが一番変色を防げるか調べてみましょう。

実験の目的

りんごの変色を防ぐ方法を比較する。

準備するもの

・同じりんごから切った薄切り 5枚
・皿または透明なカップ 5個
・水
・1%食塩水(水100mlに食塩1g)
・レモン水(水100mlにレモン汁5ml程度)
・ラップ
・タイマー
・記録用の紙またはカメラ

りんごを切る作業は、大人が行ってください。

比較する条件

A:何もしない
B:水に浸ける
C:1%食塩水に浸ける
D:レモン水に浸ける
E:切り口にラップを密着させる

B・C・Dのりんごは、それぞれの液体に同じ時間浸けてから取り出します。

実験方法

1.りんごをできるだけ同じ大きさ・厚さに切ります。
2.それぞれの方法で処理します。
3.実験開始直後の写真を撮ります。
4.10分後、30分後、60分後に色を観察します。
5.同じ場所・同じ明るさで写真を撮ります。
6.どのりんごが一番変色したか、順番をつけます。

記録の例

変色していない:0
少し茶色い:1
茶色い部分が増えた:2
全体的に茶色い:3

数字で記録すると、表やグラフにまとめやすくなります。

りんごが変色する理由

りんごを切ると細胞が壊れ、それまで別々の場所にあったポリフェノールとポリフェノールオキシダーゼという酵素が触れ合います。

そこに空気中の酸素が加わることで反応が進み、茶色い色素が作られます。これを酵素的褐変といいます。

レモン水の酸性や、ラップによって酸素に触れにくくすることなどが、変色の進み方に影響します。

りんごの品種、切り方、室温によっても結果は変わるため、実験条件を記録しておきましょう。

さらに調べるなら

・りんごの品種を変える
・切る厚さを変える
・冷蔵庫と室温で比較する
・食塩水の濃度を変える
・観察時間を長くする

一度に全部変えるのではなく、調べたい条件を1つずつ変えるのがポイントです。

実験に使ったりんごは、長時間室温に置かず、食べることを前提にしない方が安全です。

実験3.ゆで時間で卵の固まり方はどう変わる?

同じ卵でも、ゆで時間によって卵白と卵黄の固まり方が変わります。

6分・9分・12分で加熱した卵を比較して、時間と固まり方の関係を調べてみましょう。

実験の目的

ゆで時間によって、卵白と卵黄の固まり方がどのように変わるか調べる。

準備するもの

・同じ大きさの卵 3個
・鍋
・水
・タイマー
・卵を取り出すための道具
・氷水
・包丁
・記録用の紙またはカメラ

コンロ、熱湯、卵を取り出す作業、包丁を使う作業は、大人が行ってください。

実験方法

1.3個の卵は、実験前まで同じ場所に置いて温度をそろえます。
2.鍋に卵が十分に浸かる量の湯を沸かします。
3.大人が3個の卵を静かに湯へ入れ、タイマーを開始します。
4.6分後に1個、9分後に1個、12分後に1個取り出します。
5.取り出した卵はすぐ氷水で冷やします。
6.殻をむいて半分に切り、卵白と卵黄の状態を観察します。

卵の大きさ、実験前の温度、湯の量、火加減なども記録しておきましょう。

観察するポイント

・卵白はどのくらい固まった?
・卵黄の中心は流れる、やわらかい、固いのどれ?
・卵黄の外側と中心で違いはある?
・加熱時間が長くなると、どこから変化した?

写真だけでなく、色や形、固さを言葉でも記録します。

卵が固まる理由

卵白や卵黄には、さまざまな種類のたんぱく質が含まれています。

加熱すると、たんぱく質の立体的な形が変わり、たんぱく質同士が集まって網目のような構造を作ります。その結果、液体だった卵が固まっていきます。

卵白と卵黄では含まれるたんぱく質の種類や割合が異なるため、同じようには固まりません。また、加熱時間が長くなるほど熱が卵の中心まで伝わり、卵黄も固くなります。

さらに調べるなら

・冷蔵庫から出した卵と室温に戻した卵を比べる
・卵の大きさを変える
・加熱後すぐ冷やす場合と冷やさない場合を比べる

追加実験をする場合も、変える条件は1つだけにしましょう。

加熱時間の短い卵は中心まで十分に加熱されていない可能性があります。実験に使った卵は、特に子どもが食べることを前提にしないようにしましょう。

自由研究のまとめ方

実験が終わったら、次の順番で模造紙やノートにまとめます。

1.タイトル

何を調べたか分かるタイトルにします。

例:「りんごの変色を一番防げるのはどの方法?」

2.テーマを選んだ理由

日常生活で疑問に思ったことや、実験してみたいと思った理由を書きます。

3.実験の目的

何を明らかにしたいのかを書きます。

4.予想とその理由

どんな結果になると思ったか、なぜそう考えたかを書きます。

5.材料と実験方法

使った材料、分量、時間、手順を書きます。写真やイラストを入れると分かりやすくなります。

6.結果

写真・表・グラフなどを使って、観察した事実を書きます。

ここでは「なぜそうなったか」ではなく、実際に見えたことを記録します。

7.考察

結果から分かったことや、予想と違った理由を考えます。

8.感想と次に調べたいこと

難しかったこと、工夫したこと、もう一度するときに変えたいことを書きます。

9.参考にした資料

本やウェブサイトなど、参考にした資料の名前を記載します。

低学年と高学年でまとめ方を変えよう

低学年の場合は、写真やイラストを多くして、「見た色」「触った感じ」「驚いたこと」を自分の言葉で書くだけでも十分です。

高学年の場合は、条件をそろえる、時間を測る、結果を表やグラフにするなど、比較方法を工夫してみましょう。

大人が文章を作りすぎず、子ども自身が気づいたことや疑問に思ったことを残すのがポイントです。

まとめ

料理は、身近な科学現象の宝庫です。

・紫キャベツの色と酸性・アルカリ性
・りんごの変色と酵素・酸素
・卵の加熱とたんぱく質の変化

普段何気なく見ている変化も、「なぜ?」と考えることで立派な自由研究になります。

思った通りの結果にならなくても、それは失敗ではありません。予想と違った理由を考え、次に試したいことを見つけられれば、自由研究として大きな成果です。

包丁や熱湯、コンロを使う作業は大人が担当し、安全に注意しながら親子で料理の科学を楽しんでください。

参考資料

・総務省統計局「自由研究の進め方」
https://www.stat.go.jp/naruhodo/16_sanko/jiyukenkyu.html

・Nettey-Oppong et al. “The Use of Biomass-Derived Chitosan for Colorimetric pH Detection”
https://doi.org/10.3390/photonics12030231

・Kim et al. “Enzymatic browning reaction of apple juices prepared using a blender and a low-speed masticating household juicer”
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30146950/

・半田明弘「卵白タンパク質の加熱凝集とゲル化」
https://doi.org/10.3136/nskkk.NSKKK-D-23-00099

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